シンガポール在住の方のSNSで、「サーキットブレーカーに入って2週間目」「2週間目が精神的にヤバイ」と書かれているのを目にして
じゃあ我が家は4週目か、と気付く。
元々、季節感の殆どないシンガポール暮らしで、隔離生活をしていると、日付の感覚が本当に無くなる。
息子の新学期が始まって、オンライン授業が再開したら、また感覚は戻るのだろうけど。
この約1ヶ月間、全然空きスロットが無かったレッドマートが、最近になって地域ごとに注文日と配達日が設定されるようになり、久しぶりに注文できるようになって
スーパーに買物に行く必要もなくなるので、さらにStay home度合いが上がりました。
このところ毎回書いている気がするけれど、オンラインで友達と話し、ヨガをし、夫も仕事に打ち込んでいるので
家にいれば、毎日のように変わるシンガポールのコロナウイルス対策により、外に出て通報されることもないし
写真に撮ってインスタに上げるような素敵なことは何も無くとも
なんだかんだと、親子で過ごしていると1日が終わり
むしろ、いつかコロナウイルスが終息を迎え、以前のような生活への社会復帰ができるかどうかのほうが心配になってきた。
パリでロックダウン生活を送る辻仁成さんのニュースの言葉に、深く頷いてしまう。
日本も、今年のオリンピック開催を諦めてから、急激に感染者が増え、状況が変わっていくなかで
個人の感覚に委ねられた「自粛」の、自分と周囲の捉え方の違いに疲れ
遠く離れた、刑罰の厳しいシンガポールでサーキットブレーカー生活を送る私にだったら
悩みや心の内を吐き出せる、という友達がポツポツと現れて
私とはまるで違う葛藤を持ちながら、コロナウイルスと戦っていることに、気持ちが苦しくなることもあります。
東日本大震災の時にも感じたことだけど
一人一人の感覚の違いは大きくて
コロナウイルスを機に
周囲の人への接し方とか
生き方が変わりそうな
そんな事態なんだな、と思います。
いつ元のような生活に戻れるかわからないけれど
外に出ることのほうが心配になってきている。
Self-isolation指示だった我が家でそれだから
QOで真夜中に訪問や電話で隔離確認を受けて暮らしていた友達一家は、尚の事、外に出るほうが怖いようです。
ちょっと病んでる感じがするでしょう。
この状況だと
何が正常で
何が病んでるかも
わからなくなってきます。
そんな、4週目の呟き記録でした。
ちょっと話題を切り替えて
辻仁成さんと言えば、私は「冷静と情熱のあいだ」を思い出します。
辻仁成さんと江國香織さんが、男女それぞれの側から書いた、二冊で対になった恋愛小説で
私は社会人になったばかりの頃で、同期の女の子と二人で一冊ずつ買って、交換して読みました。
その時には、忘れられない昔の恋人がいながら別の人と暮らす主人公の女性の気持ちが今ひとつわからず
その後、ケリー・チャンと竹野内豊主演で映画化されたのを観た頃には少し年を取り
イタリアの街の映像の綺麗さと、曖昧な主人公たちの感情が、色々混ざって、こんなのも有りかと思うようになり
どこかで中古でDVDまで買って持っていました。
(今探したら、全編観られる?これは明日ゆっくり観てみるか)
終盤でイタリア人の女性が、主人公あおいに、「自分の居場所は、誰かの胸の中にしかないんだよ」という台詞があって
もう20年近く経っても、なんだか忘れられない言葉です。
自分が日本を出て海外で暮らす今、なおさら。
そして、隔離生活で、近くも遠くも同じ距離感の今、なおさら。
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