先日、朝から仕事でパダン周辺に行ったあと、午後は休暇を取って、スクールホリデー中の息子とVivo cityで待ち合わせて映画を観に行きました。

観に行った映画は、シンガポールで初めて制作されたアニメーション作品、「The Violinist」。
シンガポールの80年にわたる歴史を舞台に、植民地時代のシンガポールで音楽の才能に恵まれた幼なじみの男女二人FeiとKaiが、第二次世界大戦とその後の日本軍占領によって人生が翻弄された様子を描いた作品です。
先日、ずっとお会いしたいと思っていた方に偶然お会いすることができて、この映画が素晴らしいからぜひ観てください、とお勧めいただいて、早速観に行ったのですが。
馴染みあるシンガポールの街と、仕事で携わっている歴史の中のシンガポールが描かれており、特にまさに午前中にいたパダン周辺やビクトリア・コンサートホールが出てくるので、映画の世界に入り込んだような気分になりながらの鑑賞でした。

観ている途中で、戦前にあった、ある建物が描かれていることに気付き
そういえば3年くらい前に、この映画の制作会社のCEOから問い合わせをいただき、その後数名の制作チームの方達とミーティングをしたことを思い出した。
その当時、まだ私の知識も今ほどはなくて、制作チームの方達が探していた情報もなく、1枚の写真くらいしか提供できず。
その後、全く別件でその建物にまつわる歴史を調べているので、今だったら、もう少しきちんと情報提供ができたのではないかと、名残惜しく思う。
シンガポールの戦争は、日本軍とイギリス連合軍の記録が多く残っているけれど、シンガポールの人々の記録は、特に私たち日本人にはあまり紹介されていないのではないかと思います。
当地の建物や文化・芸術が壊された戦争の歴史、そして、その時代を生きた人々の生活が奪われた様子がアニメーションで描かれたことで、多くの世代にわかりやすく伝わる作品だと思います。
映画の言語は英語、字幕は中国語と英語なのですが、当地に暮らす日本人の方にぜひ観ていただきたいと思います。

すっかり歴史に詳しくなったもので、この作品中で、イギリス連合軍が港に停泊している日本軍の艦艇を爆破して沈没させたシーンは、1943年9月27日未明に実行された「昭南港爆破事件」と呼ばれるジェイウィック作戦(Operation Jaywick)で
ちょうどVivo cityの前のケッペル港がその現場であったことも、わかってしまった。
すっかり歴史と軍事に詳しい人になってしまって
息子に、「そんなお母さん、あんまりいないと思う」と言われてしまった。

戦争に翻弄された人生の、言葉にならない辛さと、その中でも人々の心に響くバイオリンの音色の美しさに、息子に本気で引かれるくらい、涙が溢れてしまいまして、すっかり涙もろくなった自分の年を感じて、劇場を出ながらグズグズ鼻をすすって歩いていたら
ちょうど息子の友達のイギリス人ロッキー兄弟が、ミニオンの映画を観て出てきたところで遭遇し
「ロッキーと帰るわ。じゃあね」
と、捨てられました。笑
1人取り残されたので、映画の余韻に浸って帰りました。
素晴らしい作品だったので、ぜひ。
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