マレーシアのジョホール州に位置するバトパハは、戦前にはスリメダン鉱山の採掘で栄え、日本資本によるゴム園の経営も盛んで、多くの日本人が住んでいました。今でも歴史ある建物が残されています。
この建物は、かつてジャパンクラブとして使われていたもので、バトハパに魅せられ、「マレー蘭印紀行」を書き残した詩人・金子光晴はこちらに宿泊していたのだそうです。
バトパハ川の港の税関は、この日は金曜日で閉まっていましたが、この旧ジャパンクラブの建物の目の前にあります。港が栄えていた当時の一等地に、ジャパンクラブがあったのですね。
こちらの建物、少し前までは壁がイエローだったそうなのですが、最近ホワイトとゴールドに塗り直しされ、あまりにもイメージが変わったので少し不評なのだとか。
この向かいにある建物も、同じくらい長い歴史があるそうです。こういった歴史ある建物を普通の商売に使い続けているのがマレーシアの街並みですね。
バトハパの中心街は道がとても広いのが印象的でした。
中心街のほとんどがヘリテージ。とても大切に保存されているというよりは、生活の場として使いながら、長く使い続けているという感じ。
樹木が絡んで長い時を刻んでいる廃墟も。こういう建物を、街中であと1つ2つ見かけました。
こちらはバトパハ広場。Batu Pahat(バトパハ)とは「岩を掘る」という意味で、このモニュメントは手でノミを掴んでいます。
この広場の前にある、バトパハクラブ。
こちらは旧刑務所。規模が小さく、可愛らしい建物の刑務所ですね。
マレーシアはこういう写真スポットがよくありますね。
こちらはゼロ地点。ここを起点に地図が設定されているそうです。
ここからすぐ近くにあるRest Houseは、ジョホールの王スルタンと親交があった徳川義親公が宿泊したことで知られるそうです。
今でも宿として営業が続いていますので、誰でも宿泊することができるそうです。
もちろん設備はリノベーションされていますが、この木製のバーカウンターなどは建設当時のままだとか。
宿の方にご案内いただき、このテラスでお茶をご馳走になりました。とても天気が良い観光日和で、とにかく暑かったのですが、風が抜けるので日陰は心地良かった。
少しドライブして、ミニャベク海岸へ。
ここはBatu Pahat(岩を掘る)の地名の発祥になった井戸があります。
15世紀にマラッカ軍に敗北したシャム(タイ)軍が貯水のために岩を掘って水を得たという伝説に由来しています。
これが岩を掘って作った井戸。
日本語の説明もありました。
ジョホールは高速や大通りを逸れるとヤシの木に囲まれたジャングルの道に入るので、天気の良い日のドライブで良かったです。ここを雷雨の中通るのは勇気が要りそう。
シンガポールからの日帰り旅行とは思えないくらい、風景が変わって、旅情がありました。バトパハの街。
ローカルフードとおしゃれカフェのご紹介は、また今度。
にほんブログ村