花巻温泉郷「優香苑」でくつろいだ後、車を走らせて、楽しみにしていた宮沢賢治記念館へ。

正しくは、宮沢賢治記念館、宮沢賢治イーハトーブ館、宮沢賢治童話村、それぞれ大きな施設があり、そのすべてを合わせると広大な施設です。岩手県花巻市の土地の豊かさを感じる充実した施設になっています。

まずは記念館から。

まずは代表作の「銀河鉄道の夜」、NHK教育番組などでお馴染みの、「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」など、日本で育って彼の作品を知らない人はいないのではないかと思いますが

小説、詩、数々の作品の手書き原稿が展示されていました。パソコンがない時代の作家さんたちの推敲、校正の作業や苦労が垣間見えます。

花巻にはかつて鉱山があり、栄えた歴史があります。
宮沢賢治作品に欠かせないキーワードといえば、彼が描いた幻想的な宝石「瑠璃」。瑠璃はサファイアですね。
私の祖母はサファイアを好んで身に付けていて、子どもの頃から祖母の手の思い出は、2つの大きなサファイアの指輪。14年前に亡くなった時に、一番祖母っ子だった私がその2つの指輪を形見分けに受け取りました。
受け取った当時は、こんな大きな宝石が付いた指輪をする機会がないわと思っていたけれど、年を重ね、今はそのうちの1つは毎日着けています。
年を取るにつれ、宝石の魅力がわかるようになったという人が多いと思いますが、最近本当にそう思う。
宮沢賢治の瑠璃と、祖母のサファイアを重ねて、物語の世界に想いを馳せました。

わずか37才で亡くなった宮沢賢治の幻想の世界には、後世の人々もずっとその魅力に惹き込まれますが、当時の彼には生きにくかったのではないかと思う。
生まれるのが早すぎたのでしょうね。

こちらはイーハトーブ館。

温泉にゆっくり浸かりすぎて、到着が遅くなったので、残念ながらカフェはもう閉店時間でしたが、この建物に入っているカフェも素敵。

こちらに展示されている作品は購入することもできるそうで、予約が入っているものもいくつかありました。



本やオリジナル文具などのお土産コーナーが充実していて、見ていて楽しい。

日本で買いたいものの一つ、素敵なレターセット。それから日常的にバッグに入れて持ち歩くのにちょうど良いA5サイズのクリアファイル。紙のチケットとか、学校や仕事で使う印刷物などを持ち歩くときに、A4サイズだとバッグに入らないけれど、このサイズだとちょうどよく、紙が折れたりせずに持ち歩けるので重宝します。
どちらも「銀河鉄道の夜」をイメージしたブルーのものを買いました。

広いので、一つ一つの施設同士は距離があるので、車で移動。
この時期に広い庭園でライトアップをしていた童話村は、最後に暗くなる時間を狙っていきました。

冷たい雨が降っていたのが少し残念でしたが、宮沢賢治のファンタジーの世界を形にした、なかなか他で見られないライトアップが素敵でした。

今、岩手のあたりは街中に熊が出没し、人を襲っているニュースが数件あり、朝晩は特に注意が必要。
熊出没注意の看板がありました。

熊はキラキラしたものは恐怖を感じて近づかないらしいので、このライトアップがあるから大丈夫ではないか、、と言っていましたが。


童話村には、「銀河ステーション」、「天空の広場」、「賢治の教室」、「妖精の小径」、「ふくろうの小径」、「山野草園」、メインに「賢治の学校」があります。

どうやったらこんなに豊かな施設を造って維持できるのだろうと下世話なことを考えてしまいましたけれど。

銀河ステーションは、本当に銀河の中にいるようで、足がすくみました。

風の又三郎の一節。

ジブリ作品は、宮沢賢治のファンタジーの世界に大きな影響を受けたのだろうなと思いながら歩いていたら、最後のコーナーにスタジオジブリの大御所の方々のサインがありました。岩井俊二さん、千住明さんなどのサインもあって納得。

広大な庭にログハウスが点在していて、その一つ一つが賢治の物語の世界になっていて、見学して歩きました。
「銀河鉄道の夜」でジョバンニとカムパネルラが銀河鉄道に乗って目指した「本当の幸い」の入口、サザンクロス=南十字星。
日本では本州以北では見られない南十字星。自分が今、南十字星が天高く上る赤道直下シンガポールで暮らしていることを不思議に思いました。

最後に、お土産屋さんのログハウスに寄り、いつもめげない上司に、「雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ」Tシャツをお土産に買って帰りました。笑

帰りにディナーのお店を探して数店舗回ったものの、おしゃれなカフェやフレンチはどこもいっぱいで、数軒目でイタリアンレストラン「IL CUORE (イル・クオーレ)」というお店をGoogle mapで見つけて行ってみたら、オープンから30年の老舗のお店で、落ち着いた雰囲気でとても良かった。

地産地消の食材で丁寧なおもてなしのレストランといった雰囲気で、ディナーなのに「夜ランチコース」というお得なコースがあり、サラダとミネストローネ、手打ちの雲丹クリームパスタにコーヒーが付いて2,000円という、シンガポールから比べると驚きのサービス。
写真撮り忘れたけどサラダもいただきました。葉物がシャキシャキ、ミネストローネのカボチャが甘くて、豆の食感が良くて、東北の新鮮な野菜の美味しさに感激。

手打ちパスタがとっても美味しかった。

600円でデザートが付けられて、1品選んでも良いし、ハーフサイズで2品選んでもOK。

どれも美味しかったけど、花巻産白桃のコンポートと岩泉ヨーグルトのパンナコッタは絶品でした。
ちょっと添えられたメロンも、アップルティーも美味しくて、日本の食の素晴らしさ再確認。
最近、日本で訪れたことがない地方に行ってみたいという思いが強くなり、年に3回も4回も日本に行くシンガポーリアンたちの気持ちがわかる。

岩手ではお姉様のご実家に泊めていただいたのだけど、建て替えて間もない優雅な平屋建ての大きな邸宅のゲストルームをお借りして、ここはエアビーかと思うような宿泊セットを用意してくれていた。

元々、おもてなしと気配りが素晴らしすぎて尊敬なお姉様だったのだけど、素晴らしすぎる。タオル、ティッシュ、歯ブラシセット、アメニティグッズまで。
このほかに温泉で使うセットのバッグも用意してくれていて、至れり尽くせり。
快適すぎて、ベッドに入ったら気絶したように眠りに落ちました。

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